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March 07 2016 By WEB CARTOP編集部

メーカー主催の「モータースポーツ草の根運動」が盛んに

ゴルフよりお手軽に楽しめるのがモータースポーツ

「グラスルーツ」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。直訳すると「草の根」となることからもわかるように、さまざまなスポーツにおいて裾野となるカテゴリーやイベントを指すことが多い。

F1やWRC(世界ラリー選手権)といったカテゴリーを頂点とする「モータースポーツ」にもそうした「グラスルーツ」イベントは多数存在している。そして日本というのはグラスルーツ的にモータースポーツを楽しむ装備が充実している環境にある。富士スピードウェイや鈴鹿サーキットといった国際的なレーシングコースであっても、平日であればサーキットをエンジン全開で駆け抜けることは可能(会費や走行料金はけっして安くはないが)であるし、日本全国各地に作られているミニサーキットと呼ばれる全長1㎞程度のコースであれば数千円の出費で走ることができる。ヘルメットなど最低限の安全装備があればノーマルカーでも走行可能で、いまやゴルフよりもお手軽なコストでモータースポーツを楽しめる時代になっている。

もちろん、昔からジムカーナやダートトライアルといった参加型モータースポーツといわれるジャンルも存在していたが、ここ10年来のミニサーキットなど環境の充実は、サーキット走行という趣味のハードルを下げている。こうして趣味としてのモータースポーツが広がっていくことは、コンペティションとしてのモータースポーツで戦うプロドライバーの凄さを実感できることにもなる。ともすれば、命知らずといったイメージで捉えられることもあるプロドライバーが、時速300キロの世界で、どれだけ繊細な操作を正確に行っているかを、自身がサーキットを走ることで実感できることにも繋がる。そして、クルマの性能を引き出す楽しみを知ることは、愛車に対する理解を深め、自動車ファンを増やすことにもつながるだろう。

「見るスポーツ」から「自分で楽しむスポーツ」に

「走る楽しさ」を味わうことはクルマの魅力に気付くことにもつながる。そのため、自動車メーカー各社もグラスルーツモータースポーツを応援している。

積極的なのは、トヨタGAZOO Racingだ。ナンバー付き車両によるレースシリーズとして全国を転戦する『86/BRZレース』や地方シリーズとなる『Vitzレース』を実施している。もっとも、86/BRZレースに関していえば、戦績の優秀なアマチュアと実績あるプロドライバーが参戦するプロクラスが用意されているほどで、グラスルーツのトップカテゴリーという位置づけになっている。そのほか、“週末ラリーを楽しもう”というキャッチコピーでラリーチャレンジを開催するなど、多方面にわたりモータースポーツの草の根を広げる活動を応援している。

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2015年からF1にパワーユニットサプライヤーとして復帰したホンダも、グラスルーツモータースポーツにはユニークな取り組みを行っている。サーキット用に仕立てられたハイブリッドスポーツクーペCR-Zを使う『ホンダ スポーツ&エコ プログラム』は、初心者がレースデビューできるまでをサポートするプログラムが段階的に用意されているというものだ。また、軽自動車N-ONEによるナンバー付き車両のワンメイクレース『N-ONEオーナーズカップ』も全国で開催される。さらにフィットの1.5Lエンジン車をベースとしたレース専用車両で競われる「FIT 1.5チャレンジカップ」は、2016年から準国内格式競技としてグラスルーツモータースポーツからのステップアップカテゴリーとして位置づけられた。

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そして、グラスルーツモータースポーツといえば忘れられないのがマツダだ。ロードスターにナンバー付きワンメイクレース用グレードとなる「NR-A」をラインアップしているほか、デミオにもモータースポーツを考慮した「15MB」というグレードを設定するなど、モータースポーツ入門を応援するアクションを起こしている。そのマツダが2016年から開催するのが『グローバルMX-5カップ』である。MX-5(日本名:ロードスター)のレース専用車両を用意、世界中で大会を開き、最終的には世界一を決定しようという試みで、まさにグラスルーツモータースポーツの頂点といえるイベントを目指しているのだ。

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以上のように、各メーカーともども「モータースポーツの草の根運動」には積極的で、ようやく「見るスポーツ」から「自分で楽しむスポーツ」として日本のモータースポーツも大きく形態を変えつつある。こういった各方面のさまざまな努力が実り、「サーキット」という特殊な場所の敷居をなるべく低くすることで、一般の人たちにも車を運転する楽しみを広く知ってもらうことが可能となりつつある。その結果、安全運転にも寄与するという好循環に繋がっている。車を持つ喜び、車に乗る喜び、車とスポーツする楽しみが、ようやくこの国にも根付きつつある。

WEB CARTOP編集部

WEB CARTOP編集部

最新の自動車ニュース、新車情報、新車試乗記事をお届けしている自動車情報総合誌『CARトップ』のWebサイト(http://www.webcartop.jp)です。「ボーダレス」にもオリジナル新着記事を展開しています。 

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