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April 07 2016 By 小林 香織

ダンスは最高のコミュニケーションツール!価値観を変えてくれたアフリカの旅-ダンサー中込孝規(後編)

ダンスは最高のコミュニケーションツール!価値観を変えてくれたアフリカの旅-ダンサー中込孝規(後編)

中込は世界一周に旅立つ前、南米のウユニ塩湖に行こうと計画を立てていた。だが結局、南米に立ち寄らず、代わりにアフリカに半年間滞在。心が揺さぶられる経験の連続だった。

前編はこちら»1万人の子供にダンスを教えて世界一周!震えるほどの感動が待っていた-ダンサー中込孝規(前編

涙が出るほど感動したマラウイでの「ダンスフェスティバル」

各地の小学校に足を運んだり、知り合いの子供を集めてもらったりして、度々ダンスを教えていた中込。なかでも、もっとも印象に残っているのが、マラウイの小学校でのダンスフェスティバルだという。その小学校は、ギュウギュウのバスに7時間ほど揺られて、やっと到着するような田舎にある。苦労して訪れた先には、涙が出るほどの感動が待っていた。

「僕のために1日お祭りの日をつくってくれたんです。あらかじめ練習していた伝統ダンスを、当日クラスごとに披露してくれて。そのあと僕がパフォーマンスしたら、ワーッと盛り上がり、最後は2,000人ぐらいの子供たちと一緒に踊りました。子供たちはもちろん、町の人も先生方もものすごく歓迎してくれて、楽しんでくれて、感謝してくれた。僕がやりたいってお願いしたことなのに率先して協力してくれたし、『ありがとう』って言ってもらえるなんて思いませんでした。アフリカでは、震えるほどの感動の連続でしたね」

中込孝規

価値観を変えてくれたアフリカでの生活

一方で、滞在中は体調面で苦しむことが多かったそう。体質的にお腹が弱いこともあり、長時間の移動はかなりきつかった。なかでも、食中毒で40度近い熱が出たときは、1週間近くフラフラの状態が続いた。そんなつらさを味わいつつも、生活するなかで明らかに価値観が変わったのを実感する。

元々アフリカには、「野蛮」や「貧しい」というイメージがあった。もちろん紛争をしている地域もあれば、町を歩いていて差別的な扱いを受けたこともある。しかし、それがすべてではない。

たとえばマラウイは、「1日1ドル以下で生活している最貧国のひとつ」と報道されている。実際、1日1ドル以下で生活している住民に多く出会ったが、自給自足しているうえに物価が安いため、彼らは十分な食事をとっていた。自分たちと同じように、ゲラゲラ笑ったり、踊ったり、幸せそうに生活している。

「もちろん、僕が見たのはアフリカのほんの一部ですが、現地の様子を見たら、“1ドル以下で生活しているから貧しい”という報道に違和感を覚えました。いい意味でアフリカの印象が変わったし、本当に世界中に人がいるんだってことが実感として湧いてきて、世界がものすごく身近に感じられるようになりました」

中込孝規

ジンバブエのビクトリアフォールズにて

ダンスには嘘がない、会話よりも簡単に仲良くなれる

中込は常に、言葉よりもダンスをコミュニケーションツールとして、友情の輪を広げてきた。ベトナムで出会ったダンサーとも、お互いダンスを見せ合ったら、すぐに仲良くなった。丸2日間一緒にいて、ほぼ言葉を交わさなかったそうだ。身ぶり手ぶりや表情、何よりダンスが最高のコミュニケーションツールになってくれたからだという。

「言葉は情報のひとつでしかなくて、それよりも表情やジェスチャーのほうが伝わりやすいですね。僕の場合は、まずダンスで信頼関係を築けるので、より仲良くなるハードルは低いかもしれません。ダンスには嘘が一切入り込まないので、自然と気持ちが通じるんです」

仲良くなったベトナム人ダンサー

仲良くなったベトナム人ダンサー

そして世界一周をしているなかで、自身のダンスの価値観も変わったことに気づく。大学生のときは周囲と比べて「自分なんて」という劣等感を持っていた。だが、コミュニケーションとして楽しく踊るダンスは、どちらが上とか下とか、そんなことは関係ない。みんな違って当たり前、それぞれのカッコよさがあるのだ。

子供たちに可能性を伝えたい、迷っている人の背中を押したい

帰国後、中込の生活はそれまでと一変する。日本の子供たちと海外の子供たちをインターネットで中継し、ダンスで交流を図るイベントを精力的に展開。さらに、各地の講演会で世界一周の経験談を伝えたり、メディアに露出したり、活動は多岐にわたる。

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ダンスイベントの様子

ダンスイベントの様子

「肩書は自分でもわかりません(笑)。こういった活動をする理由は2つあります。1つ目は、子供たちの世界や可能性を広げること。2つ目は、やりたいことがあるけど怖くて一歩が踏み出せない人の背中を押すこと。僕もそうでした。でも動き出したら、人生も価値観も大きく変わった。その勇気をひとりでも多くの人に与えたいんです」

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近い将来、世界一周の経験を綴った著書を出版したいという展望もあるそうだ。さらに、「世界中の子供たちを集めて、ダンスキャンプを開催したい」との夢も。ひとつやりたいことを叶えたら、また次の夢が見つかる。それが夢の方程式なのかもしれない。

「ダンスを始めたことで、より自分らしくいられるようになった。表現することで自分らしい感性が育つんでしょうね」、そう語った中込は、この4、5月にジンバブエで共演したアーティスト「IYCO & KAKA FURAHAのツアーダンサーとして、ボストンとニューヨークの舞台に立つことが決まっている。

人生の未来地図を描けるのは、ほかの誰でもない、自分だけだ。やりたいことがあるなら、まず口に出してみるといい。きっと賛同してくれる人が現れる。あとは一歩踏み出すだけ。思いもよらないストーリーが待っているのは、まちがいないのだから。

前編はこちら»1万人の子供にダンスを教えて世界一周!震えるほどの感動が待っていた-ダンサー中込孝規(前編)

(取材・文:高良 空桜)

中込孝規
BLOG: 世界一周!1万人の子どもにダンスを教える旅

Facebook: 世界2000人の子どもと踊り出す旅 ~ 世界一周 × ダンス ~

Twitter: 中込孝規|ダンスで世界一周。

Instagram: @nakagome63

小林 香織

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2014年デビューのフリーライター。現在、「恋する旅ライターかおり」名義で、恋愛・旅・ライフスタイルジャンルの執筆にも挑戦中。人生の豊かさ、可能性を広げるためのメッセージを発信したいと願っている。自由な人生バンザイ

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