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April 30 2016 By WEB CARTOP編集部

ミスターGT「脇阪寿一」の引退とこれから

ミスターGT「脇阪寿一」の引退とこれから

レーシングドライバーの第二の人生とは

2016年シーズンの開幕前に、アジアで大人気となっているスーパーGTレースで大活躍をしてきたレーシングドライバーが、引退を決意した。最高峰GT500クラスのドライバーを18年間務め上げ、引退する決意をしたのが「ミスターGT」こと脇阪寿一選手だ。

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彼のこれまでの功績を称え、岡山国際サーキットで開催された2016年シーズンのスーパーGT開幕戦の決勝前に、ファン、そしてレース関係者の前で、ミスターGTの引退セレモニーが実施された。18年間で3度のチャンピオンに輝いたGTでの最後の走りをファンの目に焼き付けるために、この日、関係者によって用意されたマシンは、脇阪がGT500で初のタイトルを獲得した2002年のエッソウルトラフロースープラだ。

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脇阪寿一は当時のレーシングスーツに身を包み颯爽とマシンに乗り込むと、ファンとの別れを惜しみながらゆっくりと1周した。ミスターGTに惜しみない拍手が送られる中、メインスタンド前に戻ってきたマシンを待ち受けていたのは、昨年まで、彼の仲間であり、ライバルであった現役ドライバーたちだ。マシンから降りた脇阪は、特別に用意されたスタンド前のステージに登壇し、スーパーGTレースを運営するGTアソシエーションの坂東代表からメッセージを受けると目に涙を滲ませた。さらに昨年までのチームメイトである関口雄飛選手、そして日産、ホンダを代表して安田裕信選手、 山本尚貴選手それぞれから花束が贈呈された。さらにふたりの愛息からの花束を受け取り、最後の晴れ舞台をミスターGTらしく凛として振る舞った。

「今後もモータースポーツ発展のために、チーム監督という立場から精一杯頑張る!」と宣言した脇阪を待ち受けていたのは、現役ドライバーたちのサプライズ演出の胴上げだった。脇阪の名前「寿一」にちなみ、11回の胴上げが行われた。引退セレモニーの最後には、用意されたオープンカーでふたりの息子と共にサーキットを1周し、スタンドからはファンからの惜しみない熱い声援と拍手が送られた。

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そんなミスターGTは、2016年度は先述したようにトヨタ系GT500のチーム監督として新たにサーキットに姿を見せてくれることとなった。現役の最高峰レーシングドライバーから、監督業を生業とする脇阪寿一に30のQ&Aで彼の現役時代と新たな監督業を明らかにしたい。

 

Q1:引退を決意したのはいつですか?

A:2015年の年末です。

 

Q2:引退の相談を奥さんにしましたか?(奥さんに相談した時の反応と返答を教えてください)

A:相談はしていません。空気で感じていたと思います。

 

Q3:引退を決意した時に、次の進路は決まっていましたか?

A:いいえ。

 

Q4:現役時代に一番うれしかったレースは?

A:2003年菅生。(最終ラップの最終コーナーでトップのマシンのインを突いた脇阪が0.082秒差で逆転優勝したレース)

 

Q5:現役時代に一番悔しかったレースは?

A:2015年タイ。(予選で失敗し、決勝でもスタートでアクシデントに見舞われ後退。レース人生で最悪の週末となったレース)

 

Q6:現役時代に上記以外で印象深かった出来事(レース)は?

A:2002年最終戦鈴鹿。(ホンダ勢がこぞって脇阪が乗るエッソ・スープラのチャンピオンを阻止しようとしたが、脇阪/飯田組が最後まで踏ん張り3位でゴールし、脇阪初のシリーズチャンピオンに輝いたレース)

 

Q7:誰にでも訪れる「現役引退」ですが、引退とは何ですか?

A:一つの区切り。

 

Q8:現役時代の恩人を5人挙げてください(簡単にその理由も)。

①松本恵二さん レーシングドライバー脇阪寿一をつくった人。

②鈴木亜久里さん 僕にプロの道を教えてくださった方。

③土屋圭市さん 僕にエンターテインメントを教えてくれた人。

④ブリヂストン大金さん・戸田レーシング戸田さん 4輪へ上がるきっかけをつくってくださった方。

⑤豊田章男さん 我々レース界に光を当ててくださった方。

 

Q9:現役時代のライバルを三人挙げてください。

①本山哲

②道上龍

③立川祐路

 

Q10:現役時代に一番印象に残ったマシン名とその理由は?

A:「ESSOウルトラフロー・スープラ号」。いまだに人気があるマシンで、いろんな意味で僕が加速したマシン。

 

Q11:18年もの間、トップドライバーとして君臨できた理由は?

A:たくさんの皆さん、ファンの皆さんに応援してもらえたこと。

 

Q12:レーシングドライバーとはどういう職業だと思いますか?

A:夢を与える仕事。

 

Q13:監督業とレーシングドライバーの一番の違いは何ですか?

A:基本は変わりませんが、走らないこと。

 

Q14:過去も現役も含め天才ドライバーだと思う3人は誰ですか?

①本山哲

②立川祐路

③アンドレ  ロッテラー

 

Q15:モータースポーツの魅力とは何ですか?

A:僕にとってはあのスピードとそれをねじ伏せる感覚。

 

Q16:スーパーGTレースの魅力とは何ですか?

A:クルマ、ドライバー、レース内容、レースクイーン、レジェンドたち、多くのファン、メカニックたち、タイヤ戦争、そしてサーキットの中の多くのイベント。

 

Q17:グアムの自主トレで自分をストイックに追い込む理由とは?

A:レーシングドライバーをプロアスリートとして認識してもらいたいから。

 

Q18:脇阪寿一のバイタリティはどこから生まれていますか?

A:サーキットに訪れる子供たちに手を振ってしまった者の責任。

 

Q19:一日でクルマのことはどれくらい考えていますか? ※一日を100%に置き換えて、何パーセントくらい?

A:クルマのことはそんなに考えない 10%以下。

 

Q20:我が子がレーシングドライバーを目指したいと言ったら?

A:ちょっと考える。

 

Q21:レーシングドライバーになるにはどうすればなれますか?

A:なりたいという気持ちを強く持つこと。そうすればきっとチャンスは見つかります。

 

Q22:豊田彰男社長から仰せつかった広報担当役員の仕事とは?

A:クルマの楽しさ素晴らしさを伝えること。豊田章男社長の示す方向性を僕の言葉でわかりやすくみんなに伝えること。モータースポーツをメジャースポーツにすること。

 

Q23:脇坂寿一にとってのファンとはどんな存在?

A:良き理解者。

 

Q24:現役ドライバーたちに一言

A:時は来た!張り切っていこう!!

 

Q25:実はいままで隠していたレースでの失敗談をどうぞ!

A:いっぱいありすぎて書ききれない。

 

Q26:脇坂寿一が考える理想の観戦型モータースポーツとは?

A:スーパーGTに例えるなら、もう少し観戦環境を整えたい。チケットの値段、イベントの内容、サーキット内でもっとレースの情報を届けられるシステム、スーパースターの存在、子供たちからお年寄りまで楽しめるモータースポーツの構築を目指したい。

 

Q27:脇阪寿一が考える理想の参加型モータースポーツとは?

A:86/BRZがもっと盛り上がればいいと思う。プロクラスはエアロフリーなどにしてアフターパーツメーカーが参入しやすく、クラブマンクラスはもっと楽しめる要素を増やしたい。その流れでもっと初歩的な参加型モータースポーツを提案して、その中で三角のピラミッドをつくりたい。

 

Q28:モータースポーツを取り巻くマスコミに対して一言!

A:できるだけいろんな話題、新鮮な話題を提供するように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

 

Q29:バラエティなどのテレビ出演で勉強になったことは?

A:見せ方、作り方。

 

Q30:最後に脇坂寿一の「第二の人生」の目標は何ですか?

A:モータースポーツをメジャースポーツへするための準備作業。いつか現れるであろう、真のスーパースターのための土台作りに努力したい。

仲間に囲まれる脇阪寿一

くだらない質問にも丁寧に応えてくれた脇阪寿一。いかがだろう、このQ&Aだけを見ても彼がいかにモータースポーツに情熱を持ち、真摯に向き合っているのかがお分かりいただけたのではないだろうか。だからこそ「現役から身を引く」ことに関しては人一倍に苦悩し、心の悶絶があったことだろう。しかし、そのような葛藤があったからこそ、今後、彼が行動を起こす原動力になるはずだし、テレビや芸能活動で培ったエンターテインメント性が脇阪寿一のフィルターを通して、今後の日本のモータースポーツに生かされるはずだ。もしかすると現役時代以上に、彼の名前を今後は聞くことになるのかもしれない。

WEB CARTOP編集部

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