みなさん、“パンポン”という球技をご存じだろうか?
パンポンとは木の板で軟式テニスのボールを打ち合う、テニスのような球技である。
茨城県日立市がその発祥だ。詳しい説明は日立市体育協会で確認できるので、ここでの詳述は避けるが、日立市には日立製作所の山手工場があり、パンポンは大正10年頃にここで産声を上げたという。
誕生に至った経緯は実にシンプルで、昼休みにキャッチボールに興じていた従業員が、悪送球で建屋のガラスを度々割ったことからキャッチボールが禁止になり、その代替スポーツとして編み出されたということらしい。
ラケットは当初みかん箱、それがいつの間にか木の板(これも工場らしく廃材)へと変わり、ルールが整備され、手軽な球技として日立市では広く親しまれるようになった。
誕生の由来、ローカル性、手軽さ、考えるまでもなく、そのすべてが私たち“ゆるすぽ編集部”のコンセプトに適合するスポーツではないか!!
申し遅れたが、私たちは、今回からこのThe BORDERLESSに記事配信を始めた、ゆるすぽ編集部である。これからいろいとなスポーツをゆる~いアプローチでレポートしていこうと考えている。
まずは、「パンポン」を取り上げるためには体験が不可欠である、というわけで、先に紹介した日立市体育協会のホームページでルール等を調べ、実際にやってみることにした。
第一回のテーマは「パンポンを知る」である。
まずは、どのような競技であるかをお伝えしようと思う。前出の日立市体育協会では、まずラケットを持ってボールを打つことを勧めている。「細かいことはいいんだよ!」と言わんばかりであるが、パンポンの成り立ちを考えれば、無礼は承知の感想として、あまり厳密な競技として身構えることはないのかもしれない。
とはいえ、試合をするためのルールやレギュレーションはしっかり整備されている。そういった情報もホームページに詳しいのでそちらをご覧いただければいいのだが、さすがにそこまで手抜きするのはどうなのよ!ということで、その概要を以下にお伝えする。
1.ラケット
木製であること。長さ30cm、幅20cm、厚さ0.8〜1.5cmの打面に、幅5cm、厚さ0.8〜1.5cmの持ち手をつける。これを基本として、むやみやたらな加工は禁じられている。加えて角を10R以上で面取りする必要があるが、これは安全に配慮してのことである。

出典:http://www.hasa.or.jp/panpon/rule/
2.コート
アウトラインは、サイドライン7m、 エンドライン2.5m。その内側にサービスライン(サーブしたボールを落とさなければならないエリア)として、サイドライン5.5m、 エンドライン1mと定められている。

出典:http://www.hasa.or.jp/panpon/rule/
ネットは長さ3m、高さ40cm、一応、色は緑となっている

出典:http://www.hasa.or.jp/panpon/rule/
3.試合
試合は4ポイント3セットマッチ。これは昼休みに行われたスポーツらしく、なるべく多くの従業員がプレイできるよう短めに調整された結果だという。
サーブは自陣エンドラインより後方から、腰より下で打たなければならない。テニスよろしくオーバーハンドで思い切り打ちつけるようなサーブは禁止されている。また、コートの項で記したように、サーブはサー ブエリア内に落とす必要がある。となると、サーブに関してはあまり小技を挟む余地がないように思われるかもしれないが、上級者ともなると強さも変化もコントロールするらしい。
あとはそれこそ、テニスに近い。相手のボールを相手のコートに返せなければ失点。返してもコート外まで飛ばしてしまったらアウトで失点。
大まかには上記の通りであるが、どうだろうか。さほど、難しいものではないことがお分かりいただけたと思う。ただ、ルールに沿って本格的にやろうとすると場所や道具の確保という意味では、難しいところもあるかもしれない。
ということで、次回からこれらを一つずつ用意していき、実際にプレイしてみようと思う。