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October 06 2015 By ゲストライター

坂を下る“だけ”の自転車競技!?マウンテンバイク・ダウンヒルの魅力とは

マウンテンバイク・ダウンヒルという自転車競技がある。
自転車熱が高まり、ロードバイクやスポーツバイクがブームとなって久しい。しかし、オフロードを走ることに特化したマウンテンバイクは、なかなか街で目にすることはない。スリリングでド派手なマウンテンバイク競技の知られざる魅力を紹介する。

 

そもそもマウンテンバイク・ダウンヒルって何?

マウンテンバイクはその名のごとく、山を走る自転車のこと。マウンテンバイクの競技は、“クロスカントリー”と“ダウンヒル”に大きく分かれる。どちらも山を走るとはいえ、2つの競技は全く質が異なる。長距離を走るクロスカントリーに対して、ダウンヒルは山肌を一気に駆け下りる競技だ。
マウンテンバイク・ダウンヒル2
高低差500m、距離3km、平均勾配11%ほどのコースを2分数十秒で競うタイムトライアルで、ロードレースのように集団もなく、位置取り争いもない。

 

装備がオートバイ並みのスーパー自転車!

マウンテンバイクの中でも、ダウンヒル用の自転車は特殊だ。前後輪に装備した油圧もしくは空圧のサスペンションで、タイヤがあらゆる路面を確実に捉えることができる。フレームは高剛性のカーボン製。後輪は地面へ垂直に接地し、推進力が維持できるように工夫されている。1/100の秒単位でブレーキを制御するために、オートバイと同じ油圧ディスクブレーキを使っている。
ライダーは刻々と変わる山の天候と路面に合わせてタイヤを選択し、サスペンションの調整を行う。オフロード斜面を駆け下りるダイナミックな競技だからこそ、機材セットアップの繊細な技量も問われる。

 

コツは”自転車を地面へ押し付ける”こと!!

マウンテンバイク・ダウンヒル3

ダウンヒル競技はサドルに乗らないし、ほぼ漕ぎもしない。コースは、林間を走るシングルトラックや、岩場、ジャンプ台など障害が設けられている。いくら前と後にサスペンションがついているとはいえ、普通に漕いで走るのは困難だ。ライダーの両手両足が最高のサスペンションとなるように、タイヤを接地させないと転倒してしまう。自転車を地面へ押し付けることで安定を保ち続けなければならないのだ。

 

漕がずに速い!スゴ技を見せつけたArron Gwin

2015年UCIワールドカップDH第3戦、オーストリア・レオガンで開催されたレースで世界のファンを驚かせた。グウィン選手が漕ぎだしたスタート直後、チェーンが切れる。思わぬアクシデントにRedBullTVの実況も「His chain is lost!!」と叫ぶほどだった。こうなっては、漕がないというより漕げない。巧みなバイクコントロールでタイヤを地面に接地させる無駄のない美しい走り。思わぬアクシデントを物ともせず、繊細な走行技術を駆使して見事表彰台の真ん中へ上り立つ。すばらしい走りだった。

 

ド派手な見た目の裏にある奥深さ

マウンテンバイク・ダウンヒル4

マウンテンバイク・ダウンヒルは、ダイナミックスやスリルが魅力的な自転車競技だ。転倒必至と思わるジャンプや、曲がりきれるはずのない進入スピードからの華麗なコーナリングは、一度見たらハマること間違いなしである。そうした信じられない芸当を実現しているのは、コースに合わせた綿密なバイク整備や、ライダーの繊細な技術だ。ド派手な見た目の裏にある奥深さもマウンテンバイク・ダウンヒルの大きな魅力だ。
国内でもダウンヒルシリーズやクップドジャパンなどの大会が開催され、プロがしのぎを削っている。ファンや一般のライダーにコースの走行のコツや、ライン取りを教えてくれるサービス旺盛で気さくな選手ばかりなので、ぜひ現場の空気を体感してみてほしい。

(文・写真/上水流晋)

ゲストライター

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The BORDERLESS(ザ・ボーダレス)編集部からの依頼で執筆いただいたゲストライターの方です。

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