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August 18 2016 By 小林 香織

自身に備わる“生命力”をフルに引き出せば、人はもっと自由で豊かになれるーボディワーカー・藤本靖(後編)

ボディワークと一言でいっても、それがどういった技術なのか想像しがたい人も多いだろう。藤本靖は整体師でもなければ、ましてや医者でもない。しかし、「心と身体」というテーマに基づき脳のシステムを研究すると共に、クラシックバレエなど自らの身体を使った実践を続けることで、身体の専門家となったのだ。

▶︎ 前編の記事はこちら

身体の感覚を変えることで、医者から歩けないと言われた人が歩けるようになる。彼のセッションでは、このような信じられない現象がたびたび起こるという。それは、本来誰もが備えている「生命力」も影響しているそうだ。

生きづらい現代社会で多くの人の生命力が弱っている

デジタルに囲まれ普段から頭を使いすぎている現代人は、「不健康な状態」に身を置いていると藤本はいう。人間は頭を使えば使うほど不健康になっていく。生活を便利にするためのテクノロジーの進化が人間を不健康にしているなんて酷な話だが、地方への移住がブームになっているような一面を見ると、それも納得できる話だといえる。

そんな不健康な暮らしのなかで感じる「なんとなく身体がダルくて気持ちが晴れない」「十分寝たはずなのにスッキリしない」といった、ふとした身体の異変に蓋をして気づかないフリをする現代人は少なくない。それこそが生命力が弱る原因だと藤本は分析する。

「たとえば、ある出来事に傷ついて心臓が痛くなったとします。そのとき身体のなかで何が起こったのか、きちんと向き合って自分自身を知る必要があるんですが、これをしている人はごくわずかでしょう。ただ悲しいとか寂しいとか単純なことではなくて、実は心臓が痛くなったのは今起こった出来事だけでなく、過去の別の経験にも関連していて、その傷を思い出させるために無意識に身体が信号を送っている……なんてこともあるんです。

ですが、身体に向き合わないと真の原因はわからないまま。また同じパターンにハマることも十分あります。そして身体の反応を無視して気力だけでがんばり続ける人は、いつかポキっと折れて身体も心もバテてしまう。そうではなく、心臓が痛いならその感覚を味わって、それがどんなふうに変化していくのか見届けてあげてください。それによって、その痛みや辛さから解放されて、本当に自分が望んでいる人生や出会いたい人という理想に向かっていけるはずです。その手助けをするのが僕の仕事なんです」

ボディワーカー藤本靖

Photo by 「photo AC」

恋愛から遠ざかるのは「ときめき」のスイッチがわからないから

身体の反応には不調の他にも、ときめきや安らぎなどプラスの現象もある。そういった反応に鈍くなると、恋愛がしづらくなるのだとか。

「頭だけで好きかどうかを考えようとすると、恋愛は発展しづらくなると思います。恋愛感情って本来、本能的なものじゃないですか。相手と一緒にいることで身体が反応するもの。誰にもときめかないという人がいたら、それはそういう感情のスイッチを入れることを忘れているんです」

このことを踏まえると、よくあるお見合いパーティーは「非常に効率が悪い」そうだ。

「動物的な反応なしにプロフィールの条件で判断しようとする『お見合いパーティー』は、すごく回り道になってしまうんじゃないかと。たとえば、アメリカでは何の自己紹介もせずに男女が1分間見つめ合うパーティーがあるんですが、そこでは多くのカップルが成立したそうです。

ただ、日本人は普段からアイコンタクトをあまりしないから、見つめ合うと緊張してしまい、ときめいているかどうか判断しづらいようですね。恋愛は相手の条件よりも、まず一緒にいて自分がどう感じるかを大切にしたほうがいいと思います。ときめきや居心地の良さを感じられて、そこから条件的なことを判断するほうがうまくいくんじゃないでしょうか」

震災が活動を見直すキッカケに、グローバルな展開にも挑みたい

 ボディワーカー藤本靖

身体の専門家として数々の経験を積んだ藤本は、2011年3月に起こった「東日本大震災」を通して、考え方が変わったという。被災した東北地方に通い傷ついた人々にボディワークを施すことで、ある強い気持ちが湧き上がってくるのを感じた。

「現地では、僕の存在はおろか『ボディワーク』という言葉を知っている人もいない。でも目の前には明らかに困っている人たちがいて、彼らのために自分は何ができるのかっていうのを、ひたすら手探りでやっていたんです。身体だけじゃなくて傷ついた心も含めて、その人の全人格を見ながら夢中で続けるなかで、『役に立ちたい』という強い気持ちが自然に湧き上がってきました。

予想もしなかった緊急事態のなかで、さまざまな立場の人が『復興』というひとつのゴールに向かって全力を尽くしている。そんな空気に触れて、思いがけないエネルギーが自分から出ていることに気づいたんです。そこにいる皆が目指す共通のゴールを目指して、志の高い人たちがひとつになる。それこそが世の中を良くすることにつながると思いました。

同時に、普段そういった場があまりに少ないとも感じ、やっぱり勇気を出して垣根を越えていかなければいけないなと。誰もが協力的でエゴがない。そんなゴールを設定して活動をしていきたいと思えた大きなキッカケでした」

今後、藤本は2020年の東京オリンピックを見据え、グローバルな展開にもトライしたいと意欲を見せる。現在、親交のある医師と一共に「裏オリンピック」の開催に向けて準備中だそう。本来のオリンピックとは違い、人間が本来もっている能力をフルに生かした日本の伝統文化を紹介するイベントだ。たとえば90歳で現役の能楽師などに演技を披露してもらい、それを訪日外国人に体験してもらうといったユニークな企画が満載とのこと。

最後に、読者に向けてこんなメッセージを伝えてくれた。

「僕は著書やWEB等の取材で、割り箸や輪ゴムなどを使った誰にでもできるワークをご紹介しています。とにかくまずは、体験してみてください。そして、身体がどんな変化をするか感覚を味わってみてほしいなと。それが身体を見直すキッカケになれば嬉しく思います」

 

フェイスラインのたるみや身体の歪みを解消する割り箸ワークをご紹介

最後にひとつ、簡単に効果が実感できる割り箸を使ったワークをご紹介。使うのは未使用の割り箸一膳のみ。実際に筆者が試してみると、終わったあと顎のあたりの力がフッと抜けて軽くなったような感覚がありました。これは顎関節周辺の筋肉がゆるんだからだそう。あっという間に終わるのに、フェイスラインがシャープに。ぜひ実感してみてください!

高良空桜

~割り箸ワークの手順~

  1. 割り箸を縦にして、持ち手側を右の奥歯で挟んでくわえる。軽く挟むようなイメージで口を少し開けた状態で10秒間キープ。呼吸はゆっくりと行う。
  2. 割り箸を左の奥歯に挟み、1と同じ行程を行う。

 

(取材・文:高良 空桜)

 

ボディワーカー・藤本 靖
藤本靖オフィシャルウェブサイト:http://www.all-blue.com/index.html
藤本靖オフィシャルブログ:「進化するココロとカラダ」

小林 香織

小林 香織 Facebook Twitter Blog

1981年、埼玉県生まれ。2014年ライターデビュー。本名とペンネーム「恋する旅ライターかおり」を使い分けながら、WEBメディアを中心に、【働き方、ライフスタイル、旅、恋愛、スポーツ】など幅広く執筆。東京を拠点に、ときどき国内外を旅しながら旅と仕事を両立している。ライターとして叶えたい夢は、人生の選択肢を提供することで、誇れる人生を選びとれる人を増やすこと。地球上にあふれるトキメキをありのまま届けること。

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