ニューヨークは摩天楼が林立していますが、緑あふれる公園や街路樹が多い街でもあります。多くのランナーの憧れ、ニューヨークシティマラソンに出場する人はもちろん、観光やビジネスで訪れた際に、ちょっとランニングに出かけたいという方々にもオススメのランニングタウンです。
四季を楽しめるセントラルパーク
ニューヨークでランナーの聖地ともいえるのが『セントラルパーク』。マンハッタンの真ん中に位置し、ジョギングコースは1周9.6kmほど。1周2.3km程度のコースもあるので、コンディションや気分によってコースを変えてもいいでしょう。平日は朝晩、週末は一日中、ウォーキング、ランニング、サイクリング、インラインスケートなど、自分のペースで楽しむ人で溢れかえります。子どもをランニング用バギーに乗せて、エクササイズをするお母さんたちも多く見られるのも、いかにもニューヨークといったところでしょうか。

春や夏には公園でヨガをする人たちも多くいます。
公園内はアップダウンが厳しいですが、美しい景色を見ながら走ればあっという間に走りきれる距離です。西72丁目にはジョン・レノンが住んでいたダコタハウスやメモリアルとしてつくられたストロベリー・フィールズが、東72丁目には不思議の国のアリス像があり、観光しながらのランもできます。ニューヨークを舞台にした映画に出てきた場所もたくさんあるので、映画の1シーンを思い浮かべながら走るのも楽しいかもしれません。芝生でヨガをする人たちもいるように、思い思いにスポーツを楽しむ人たちを見かけます。春は桜や木蓮、初夏から夏にかけては鮮やかな緑、秋は紅葉と四季折々の風景が楽しめます。公園の周りにはホテルも多く、出張で訪れているビジネスマンたちが朝晩に颯爽と走る姿が見られます。

ニューヨークシティマラソン開催週のセントラルパーク。秋はランナーをたくさん見かけます。
ペースも服も思い思いがこの街流
セントラルパーク以外でもマンハッタンの西、ハドソンリバー沿いにはジョギングや自転車用の道が設けられており、対岸のニュージャージー州を眺めながら走ることができます。観光客に人気のチェルシー地区ハイラインもウォーキングにはオススメです。そのほか図書館や美術館、植物園などに囲まれる市民の憩いのエリアにあるブルックリンのプロスペクトパークは、1周5kmのコースを思い思いのペースで歩いたり走ったりする人々を見かけます。
ニューヨークのランナーは、おしゃれなランニングウェアに身を包んだ人はさほど多くなく、皆、Tシャツに短パンと気軽な服装で走っています。友人や集団で走る人は少なく、携帯電話で音楽を聴きながら、黙々と走る人が多いのもニューヨーカーらしさでしょうか。好きな服装で、自分のペースで楽しく走る、それがニューヨーク流のランニングです。

チェルシー地区のハイライン。ランチ時にはウォークをする人も。
【セントラルパーク】住所:14 East 60th Street, New York, NY, 10022
東西5番街から8番街まで、南は59丁目から北は110丁目に広がっています。
小腹がすいたらストリートフードを
セントラルパークやミッドタウンには屋台がたくさん。ランチタイムの屋台は中東系が多いのですが、羊肉などを串刺しにして焼いたシシカバブやチキンケバブ、肉や野菜をピタパンで巻いたジャイロなどがおすすめです。6番街と53丁目の角に屋台を出している「ベスト・ハラル」は5ドル(約600円)~で大盛りの肉や野菜がいただけます。ニューヨークシティマラソンの開催週にはたくさんのランナーが、ニューヨーク名物のB級グルメを堪能する姿が見られます。セントラルパークやマンハッタンでランニング中に小腹がすいたら、屋台のホットドッグがおすすめです。ザワークラフト、オニオン、ケチャップ、マスタードなど好きなトッピングを伝えましょう。

注文してから作ってくれる「ベスト・ハラル」。

マンハッタンの至るところにあるホットドッグの屋台
ランナーたちのメッカ『Rosie O’Grady’s』
ニューヨークシティマラソンが行われる11月第1週をニューヨークでは「マラソンウィーク」と呼びますが、その週に多くのランナーや関係者が集まるのが『Rosie O’Grady’s』。ステーキやハンバーガーなどに加えて、パスタなども取り揃えられたアメリカンレストランです。秋から冬にかけては新鮮な牡蠣も楽しめます。全米各地や海外から訪れるランナーが多く宿泊するシェラトンホテルやヒルトンホテルにも近いため、連日、ランナーたちが集まり、マラソン談議に花を咲かせます。レースの夜は、完走者メダルを首にかけたランナーたちで店内はいっぱいになります。
住所:800 7th Avenue, New York, NY 10019
電話:212-582-2975
ウェブサイト:http://rosieogradys.com/シーフードも肉料理も絶品です! もちろんランのあとのビールも。
アメリカ・ニューヨークを駆け抜けるマラソン大会はこちら!
◯名称:ニューヨークシティマラソン(TCS New York City Marathon)
◯公式サイト(英語):http://www.tcsnycmarathon.org/
◯開催日:2015年11月1日
※毎年11月第1週に開催されます。来年の募集は1月中旬から2月中旬までです。
街の魅力を満喫するNYCマラソン
世界中のランナーが憧れるマラソンの一つ『ニューヨークシティマラソン』。毎年11月の第1日曜日、紅葉が美しい季節に開催されます。伴走者やチャリティーランの参加者を含めると5万人を超える世界各国から集まったランナーたちがニューヨークの街を駆け抜けます。マンハッタンの南に位置するスタテン島をスタートし、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、そしてマンハッタンとニューヨークの異なる表情を楽しめます。

フランク・シナトラの歌とともにスタート
沿道の観客も地区によってさまざま。若者が多く住むブルックリンのウィリアムスバーグではさまざまな楽器をならし、ユダヤ人が多く住む地域では伝統的な衣装をまとった人々が静かな拍手でランナーを迎え入れてくれます。普段、観光ではなかなか訪れることができない地域を走れるのもニューヨークシティマラソンの大きな魅力です。

ニューヨークシティマラソンの28km地点

小さな子どもたちの応援も大きな力になります

奇抜な仮装でのんびり走るメキシコのランナーたち
ニューヨークシティマラソンのエントリーは毎年1月にオープンし、2月中旬には締め切られます。マラソンブームの影響で例年、定員の10倍以上の人数が応募するので、競争率はかなり高めです。
マラソンの運営事務局「ニューヨークロードランナーズ」は毎週のように5km、10kmなどのレースを開催しています。フルマラソンとは異なり、レースの直前までエントリー可能な場合もあるので、出張や観光の際にレースに参加することもできます。

5番街を疾走する1マイルレース

ニューヨークシティマラソンの週には子どもたちのレースも開催されます。