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February 21 2017 By ゆるすぽ編集部

ラスト1.7秒のブザービーター! 横浜ビー・コルセアーズが天皇杯王者から奪い取った劇的過ぎる勝利!

スポーツエンターテインメントは筋書きのないドラマが幾多となく起こり、観るものを興奮させ感動させる。中にはのちに語り草になるであろう記憶に残る名試合に出会うこともある。2月4日横浜国際プールでおこなわれた男子プロバスケットボールB.LEAGUE(Bリーグ)での横浜ビー・コルセアーズが、天皇杯王者千葉ジェッツからあげた極上ともいえる勝利のドラマはまさにそれだった。

横浜ビー・コルセアーズ(通称ビーコル)は、昨年12月18日のホームゲームで仙台89ERS(エイティナイナーズ)に勝利して以降、1月2日、3日の京都ハンナリーズ戦でBリーグになって初めてホーム2連勝を果たし、さらには1月28日、29日の滋賀レイクスターズ戦でもホームでの連勝を果たした。2月4日と5日にはホームで千葉ジェッツと対戦し、ここで勝てば、ホームゲームでの連勝は6となる。それだけにチーム、選手、地元ブースター(ファン)の士気は高まっていた。

横浜ビー・コルセアーズは、Bリーグに加入する時、トップカテゴリであるB1入りは難しいとの声もあったが、さまざまな懸命の努力が実りB1入りを果たす。このことは「大逆転のビーコル」と言われたそうだ。今、Bリーグ初年度のシーズンを闘う中でチームは徐々に力を付け、今やチャンピオンシップに向けての台風の目になりつつある。

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チャレンジャーとして千葉ジェッツに果敢に挑んだ横浜ビー・コルセアーズ。左から、#42 ジェイソン・ウォッシュバーン選手、#0 細谷将司選手、#10 ファイ パプ月瑠選手

これからどんどん力を付け、成長し伸びていくチームを応援することは楽しく、何よりも愛着が湧き、思い入れが大きくなるものだ。そういった意味でも横浜ビー・コルセアーズはスポーツエンターテインメントとしての多くの魅力を秘めている。

ここまでのホーム5連勝も実にドラマティックだった。正月3日の京都ハンナリーズ戦では、僅差でリードしていた終盤に3本のフリースローを相手に許してしまうが、スタンドから怒涛のブースターディフェンスが沸き起こり、ハンナリーズは3本とも外してしまい流れを逸し、ビーコルが逃げ切り勝利。

1月28日の滋賀レイクスターズ戦では、リードの展開もレイクスターズに猛追され、試合終了間際、残り2.2秒でそのリードは僅か2点となる大ピンチに。さらにはタイムアウト明けのスローイングが相手に奪われシュートされてしまい万事休すと思われたが、これが僅かに外れ得点ならず。時計のカウントは0秒、スリリングな勝利を飾る。

そして、ホーム6連勝を目指すビーコルに立ち塞がるのは、天皇杯王者の強敵千葉ジェッツ。日本人2人目のNBAプレーヤーである富樫勇樹選手を擁する難敵だ。ジェッツの司令塔である富樫選手は、167cmと小柄ながらテクニックと身体能力に優れ、そのスピード感には圧倒された。2月10日、11日のバスケットボール男子日本代表国際強化試合にも出場しイラク相手に存在感を示した選手だ。

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ホーム6連勝を目指すビーコルの前に立ち塞がる千葉ジェッツの司令塔、富樫勇樹選手。

ビーコルは1Qを16-10とし序盤をリードしたが、2Qはジェッツの猛攻にリードを奪われ、逆転を許してしまう。特に試合中盤でのジェッツのオフェンス力は圧倒的だった。2Qのビーコルは、約6分近く得点ができない時間帯が続き苦戦してしまう。ジェッツにペースを奪われてしまっていたが、残り4分となったところでパーマー選手の3Pシュートが決まったのをきっかけに反撃に転じ、29-29の同点で前半を折り返す。

後半に入ってからは、追いつ追われつ、一進一退の見応えのある大接戦となったが、4Q残り50秒でウォッシュバーン選手がダンクショットを決めて70-67とリードは3点となった。

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力強いダンクショットを決める#42 ジェイソン・ウォッシュバーン選手(※写真は前半でのもの)

あと50秒を守り切ればビーコルの勝利。しかし、ゲームはこのままでは終わらなかった。これぞ、バスケットボールならではの魅力、醍醐味ともいえる終了間際のドラマが待っていた。

強敵ジェッツのエースが持ち前の粘りと底力を発揮。要マークだった富樫選手に、なんと残り1.7秒で3Pシュートを決められてしまい、土壇場でジェッツが同点に追いつく。

ビー・コルセアーズはここでタイムアウトを要求。このまま終われば延長戦だ。試合後ビーコルのエース川村卓也選手はこう語っている。

「チームのファウルトラブルもあったし、もう延長に行ったら、厳しいなと思った」

タイムアウトが明け、ビーコルブースターの大声援が轟く中、残り1.7秒の時計のカウントが動き出す。チームはエース川村卓也にその命運を託した。スローインした高島選手から川村選手にボールが託される。

「どうしてもあそこで勝負を決定付けたかった。そういう僕の気持ちが(ボールに)乗ってくれたのかな」

残り1秒を切り、コンマ数秒だっただろうか、選手とブースターの思いが集束された川村選手のジャンプショットがゴールに突き刺った。それは、ビーコルのエースが決めたあまりにドラマティックな2Pシュート、劇的な勝利のブザービーターだった。

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残り1.7秒のブザービーター! ラスト数秒でも何が起こるかわからない、これぞバスケットボールといったしびれる幕切れだった。

川村卓也選手は、昨年7月ビー・コルセアーズに移籍してきた。移籍当初はビーコルブースターに受け入れてもらおうと努力したという。

「ビーコルに最初に来た時は、まだまだ“お客さん”っていうふうな立場で見られていたりとか、まだ来て間もない選手みたいな捉え方をされていた雰囲気も、正直感じていました」

川村選手を最初に見た時、どこか孤高なイメージを感じていたのだが、こういった背景があったのかもしれない。それでも自身のプレーで示し、少しずつブースターに認められていった。

「ゲームを重ねていく中で、ビーコルの仲間になっていく過程が、凄く嬉しかった」

今ではビーコルになくてはならないエース選手である。

「自分がこのビーコルに来て、『ビーコルで勝ちたい』って、ずっとそう思っている中で積み重ねた思いも、あのシュートに乗せられたかなと思う。ああいった場面で、チームみんなが『タクで行こう』って言ってくれる今の状況に感謝しています」

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試合後の会見。#1 川村卓也選手。「自分たちがチャレンジャーという気持ちを持って挑んだ試合だった」

72-70、これ以上にない大逆転勝利が決まった瞬間、アリーナは割れんばかりの地鳴りのような大歓声が沸き起こった。川村選手にチームメイトが抱きつき、ビーコルブースターは歓喜の雄叫びをあげる。その光景は、まるで優勝が決まったかのようだった。

こんな劇的な勝利があるだろうか? これがバスケットボールならではの醍醐味なのだ。筆者も撮影しながら、ブザービーターが決まった瞬間は体中に電流が流れたかのようにしびれ、感動した。だから、スポーツを応援すること、スポーツエンターテインメントはやめられないのだ。みんな、あの勝利の興奮と感動を味わいたくて、あの場に集うのだから。

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ドラマティックな勝利の幕切れ。選手とブースターは勝利に酔いしれた。

これでビー・コルセアーズの語り草になる試合がまたひとつ増えた。ホーム6連勝を決めたこの日の観客は3,347人。翌日の試合ではジェッツが逆襲し、ビーコルは惜敗。残念ながらホーム7連勝は逃してしまったが、4,011人もの観客が来場し、球団として初めて4,000人を突破し、過去最高の観客動員を記録した。

試合以外でも、さまざまな工夫と取り組みで観客動員数を増やすべく、日々努力を続けている横浜ビー・コルセアーズ。このドラマティックでスリリングな勝利により、今日来場した観客は、より一層ビーコルの試合を生で観たい気持ちになったことだろう。勝利のために全力を尽くし懸命にプレーする選手とビーコルブースター必死の後押し、アリーナに来れば選手と共に闘え、勝利の興奮と感動を味わえる。あの一体感は実に魅力的だし、この4,000人超えの数字にもそれが如実に表れていると思う。

応援したくなる。応援しがいがある。支えたくなる。これらは地域に根付く球団・横浜ビー・コルセアーズの魅力のひとつだ。チームは、まだまだ発展途上、しかし、その歩みは確実だ。

Bリーグ初年度のシーズンは半分を切った。残りの試合でビーコルは間違いなく台風の目になる。そう確信した素晴らしい勝利、ここからのビーコルが楽しみだ。

ゆるすぽ編集部

ゆるすぽ編集部

“みんなでつくるスポーツニュース”をコンセプトにwebサイトを展開。(http://www.yurusupo.com/)ファン目線を大事にし、スポーツニュースで報道される以外のさまざまなスポーツネタをゆる~く紹介しています。「ボーダレス」にも記事を展開。

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