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March 16 2017 By 木村和久

ゴルフの未来図~中学校や高校でゴルフを覚えよう~

ゴルフ人口が減っているなら、その減っている源から、盛り上げるしかありません。中学校や高校でゴルフを教える、というのはどうでしょう? 私は宮城県の石巻市という街で育ち、小学校から高校までずっと公立でした。

宮城は寒いところです。ゆえに小学校の高学年では、全員参加のスケート教室が2日間ほどありました。スケート場をほぼ貸し切りで行うのですが、誰かが尻もちをついて、尾骨を痛めたり、ひどいと腕を骨折なんてこともありました。ほとんどの児童は、滑れずに「手すり磨き」状態です。そして二日目あたりから、ひな鳥の巣立ちのように、手すりを離れていきます。誰が最初にリンクを1周できるか、男のプライドを見せなければならない瞬間でした。

高校に入ると、任意ですが合宿制のスキー教室があり、冬休みに結構な人が参加しました。石巻は北上川の河口に位置し、校舎の3階からは、太平洋を望めます。ゆえに水上スポーツも盛んで、ヨット部やボート部は伝統的に強くて、インターハイによく出ていました。

私はというと、なんと重量挙げ部の補欠でした。宮城県は東京オリンピックの三宅義信・義行選手を輩出した、重量挙げのメッカ。多くの高校で重量挙げ部があったのです。

周囲の環境次第で、いろいろなスポーツが楽しめますよね。そういうことを言いたかったのです。

じゃゴルフはどうでしょう。全国に2500ともいわれているゴルフコースがあります。ほか練習場やショートコースは、それ以上にありますから、施設はまんべんなく整っています。そこを利用して、何かゴルフサークルのようなものができないかと思います。

そんなことを考えていたら、たまたまテレビで千葉県の多古中学校ゴルフ部のドキュメンタリー番組が放送されていて、えらく感激しました。多古中学ゴルフ部のことをちょっと紹介します。

多古中学のゴルフ部ができたのは2001年だそうです。きっかけは、新しくやってきた先生が学校の荒廃に心が痛み、心身ともに鍛えてくれるスポーツはないかと探し、ゴルフ部をつくろうと思い立ったそうです。ラグビーの熱血青春ドラマ「スクール・ウォーズ」みたいですね。多古中ゴルフ部がドラマになったら、山下真司じゃなく、梅宮辰夫をあえて校長先生役にしましょうか。和田アキ子は教頭先生かなあ、怖いキャディ役でもいいや。

冗談はさておき、多古中ゴルフ部は、校庭の片隅に8打席の練習場を、作ることから始めたそうです。やがて近隣のゴルフ場などの全面バックアップを得て、町をあげての部活応援をし、3年目には全国大会出場の快挙を成し遂げます。中学でゴルフを覚えると、その子たちは必然的に高校でもゴルフをしますよね。そうなんです、多古高校のゴルフ部が、これまた活気に溢れているのです。

2月に見た番組は、NHKの「奇跡のレッスン~世界最強コーチと子供たち~」のゴルフ編でした。コーチはタイガー・ウッズの子供時代のコーチ、ルディ・デュランさんをわざわざ多古中学ゴルフ部に呼び、一週間つきっきりでレッスンをするのですから、実に贅沢です。

教わっている子供たちの多くはごく普通の中学生で、プロ志望はほんのひと握りです。なかなか結果がともないませんが、デュランさんは、「結果をあまり気にするな」と言います。そしてたまたま打てた感触のいいショットのイメージを大切にして、1回打てたのなら、また打てるからと諭します。

こういう番組を見るにつけ、子供にゴルフを教えるのは大変だと思います。ゴルフ場の研修生や元ゴルフ部、あるいはゴルフの上手なアマチュアに教わらないと、話が進みません。でも誰かがやる気を起こせば、あとは何とかなると思います。

石巻の高校にいたとき、ヨット部の面白いエピソードを聞いたことがあります。ヨットを港に停泊させるとき、操船を誤って、岸壁にぶつけそうになったのです。その時、ひとりのヨット部の生徒が海に飛び込み、身を挺してヨットを守ったとか。たまたまそれを見ていた水産加工会社の社長さんが、えらく感激して、数百万円のヨットを寄贈したのです。それ以降、しばらくは船をぶつけそうになると、誰かが飛び込むのはお約束になりましたが、2匹目のドジョウはなかなか現れなかったようです。

というわけで、各地域の先生やPTA、あるいはゴルフ場の皆さんは、熱意をもって、近隣の中学校や高校のゴルフ部の創設に勤しみましょう。もちろん、問題は山積みです。それをいろんな人と助けあって克服することが、メイクドラマだと思います。

別にプロを養成するわけではありません。あくまでサークルですから。できる範囲のことでいいのです。ゴルフはいったん覚えれば、生涯できるスポーツですから、必ずや覚えたコースに、お客さんとして戻って来るでしょう。長い目で見れば、ゴルフ場にとっても、プラスになりますね。

NO2修正

岡村治栄

木村和久

木村和久

時代を読み解くコラムニスト、デイトレーダー、日本文藝家協会会員。夕刊フジ株1グ ランプリ月間優勝2回。 近著は「89ビジョン」(集英社)連載は「月刊ゴルフダイジェスト」「スポルティーバ 」 「夕刊フジ」(月曜)、「日刊スパ」「ポストセブンネット」「ゴルフコミック」など 。

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