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April 18 2017 By 木村和久

ゴルフの未来図~ゴルフはどんどん簡単になる!~

3月1日、ゴルフルールの総本山、R&A(全英ゴルフ協会)と、USGA(全米ゴルフ協会)が合同で、2019年のルール改訂に向けて、大胆な提言をしました。今までのゴルフは難しく、時間を取られていたので、簡単に分かりやすくルールを変え、夏にかけて多方面から意見を聞き、早ければ来年あたりから徐々に実行に移したいと言っているのです。通常のルール改訂は、4年に1回、次回は2020年に行われるのですが、それを前倒しにしての改訂です。世界的に見ても、ゴルフ人口をもっと増やさなければという思惑なのでしょう。難しいルールは、新たにゴルフを始める人の障害になっていることがままありますからね。

さて、具体的にはどんなルール改訂でしょうか。その内容があまりにも凄過ぎてショックを受けています。例えば、マキシマムスコア(最大スコア)の採用です。これは、各ホールの最大叩いたスコアを決めていいというルールです。本来の正式ルールは、スコアは無限でホールアウトするまで認めませんでした。カップに入れずに次に進めば、棄権となったわけです。アマチュアのラウンドなどのギブアップは、ホールの3倍といわれています。つまりショートホールは9、ロングホールは15打でギブアップです。これが近い将来、「最高トリプルまで」なんてルールが適用されるかもしれないのです。個人的には大賛成です。だってあの箱根駅伝だって、タスキが繋がらないときは、繰り上げスタートになりますからね。ゴルフだって、1ホールで大叩きしたら、繰り上げスタートして、次のホールへ向かうことが許されてもいいのではないでしょうか。特にビギナーや、親睦コンペなどではね。最大スコアを採用するかは、プレーヤー同士の相談や、コンペの幹事、競技委員の采配次第だと思いますが、ぜひやって欲しいです。プレーのスピードアップにも繋がりますし、多くの方にとっては、「あのホールで10を叩かなかったら」という、タラレバ悔しがりが起こらずに済みます。

ほかに注目すべきは、 ボールを探す時間が、従来の5分以内から3分以内に短縮される予定です。これもラウンドのスピードアップ化の一環でしょう。最近はセルフプレーが多いですから、ボール探しも難儀です。そもそも、ボールを見失う方向に打った自分が悪いわけで、これを「ボールがあるはずなのに、せかされたからロストボールになった」と言う方がいます。そういう方に限って、ほかの人のボールを探さないのです。実に困ったものです。ボール探しが3分になれば、みんなが諦めてさっさと次のプレーに行く。それでいいんじゃないでしょうか。あくまで想定案ですが、こんなのもありました。水切りショットは、水にクラブフェースがついてもいい。ピンフラッグを立てて、パターを打ってもいい。グリーン上で、ボールが動いてもノーペナ等々、楽ちんゴルフのオンパレード。実に来年以降が楽しみですね。

ただひとつ気になるのは、日本のJGAの存在が、ちょっと低く扱われている印象です。世界のゴルフ大国は、アメリカが約15000コース、イギリスが約2800コース、そして日本とカナダが約2400コースで、これがビッグ4です。ほか1000コース以上あるのはオーストラリアぐらいで、あとは全部1000コース未満と、圧倒的に差があります。そう考えるとJGAやRCGA(ロイヤルカナダゴルフ協会)は、世界ゴルフルール委員会(こういうのがあればですが)の常任理事国入りをしてもいいのではないでしょうか。今度、世界のゴルフルールを作るときは、ぜひ呼んで欲しいです。どうしても呼ばれないなら、JGAの独自性を認めるのも大事です。例えば大リーグと日本のプロ野球では、使うボールが違うって皆さん知っていますよね。だったら、ゴルフにおいても、小柄な日本人向けの独自のルールやレギュレーションを作ってもいいのかもしれません。究極で考えると、ルールというのは、プレーヤー同士の決まりごとであって、誰かにお伺いを立てる必要もないのです。それをプライベートルールと言います。ちなみにですが、世界にはこんなプライベートルールがあります。

アイゼンハワールール

1950年代に活躍したアメリカ合衆国のアイゼンハワー大統領は、無類のゴルフ好きで有名でした。オーガスタのメンバーで、ゴルフ殿堂入りをしています。彼は持病の心臓病の悪化で、パットをすると心臓に負担がかかると医者に言われ、パット禁止に。その代わりとして生まれたのが、アイゼンハワールールで、グリーンに乗ったら、自動的に2パットと計算するものでした。

マリガン

アメリカでポピュラーな、朝のティーショットの二度打ちです。もともとは、二日酔いのせいで遅刻ばかりするマリガンさんが、いつも慌ててティーショットをしたので叩いていた。だからマリガンさんだけ、朝イチのティーショットは2回打って、いい方だけを採用してプレーすることにした。それが一般化して、全米に普及してしまったのです。

どうです?ゴルフって、ルールに厳しい印象がある半面、ラウンド中にタバコも吸えて、お酒も飲めるという、不思議なスポーツです。いつしか、自分の名前を冠したルールを作って、世界中のみんなが採用する。そういうところに執念を燃やすこともできます。ゴルフって、実に懐が深いですね。

NO3修正済

木村和久

木村和久

時代を読み解くコラムニスト、デイトレーダー、日本文藝家協会会員。夕刊フジ株1グ ランプリ月間優勝2回。 近著は「89ビジョン」(集英社)連載は「月刊ゴルフダイジェスト」「スポルティーバ 」 「夕刊フジ」(月曜)、「日刊スパ」「ポストセブンネット」「ゴルフコミック」など 。

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