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ワールドマスターズゲームズ2017(WMG)大会3日目、LLOYD ELSMORE PARKではラグビーの試合が行われた。広い敷地に用意された5面のコートでは、それぞれ熱戦が繰り広げられていた。いずれのチームも屈強な体つきの選手ばかりで、まさに「ラガーマン」。たくましい選手たちが力強いプレーを見せる横では、子どもたちが観戦しながらラグビーボールを投げて遊んでいた。それは、ラグビーが国技として愛されるニュージーランドらしさそのものだった。
地元ニュージーランドのチーム、NORTH WESTERN ALLIESと対戦したのは、オーストラリアから参加したVICTORIAN STATE MASTERS RUGBY。今大会のために結成されたチームで、試合前日に初めて会ったメンバーもいたという。「誰がどんなプレースタイルなのか、わからないよ(笑)」と、ゲーム前に語っていたキャプテンだったが、その表情は穏やかで、何の不安も感じていない様子だった。
その理由は、ゲームが始まるとすぐにわかった。開始のホイッスルと同時に、彼らは「仲間」となり、そこにはすでにひとつの「チーム」の姿があった。
「昨日初めて会った人たちもいるけれど、ラグビーへのスピリッツはみんな一緒。だから、会ったばかりでもやれるんだよ」
心と心が通じ合うーーそれがスポーツ、という光景が目の前に広がっていた。
キャプテンによれば、現在は全員がメルボルン在住だが、出身地はさまざまでグローバルなメンバー構成なのだという。ふだんはそれぞれのチームでラグビーを楽しんでおり、ラグビーへの情熱は若い頃と全く変わっていない。
試合後には、相手チームのキャプテンとマオリ族の挨拶「ホンギ(hongi)」を交わし合った。「ホンギ」は「互いを受け入れる」という意味を持ち、そこにはWMGの真の姿があるように感じられた。
昨日会った人も、対戦相手も、みんな「スポーツを愛する仲間」。WMGでは、そんな仲間の「輪」が広がっていく。
参考:「ワールドマスターズゲームズ(WMG)」とは
国際マスターズゲームズ協会が主宰する(IMGA)、生涯スポーツにおける世界最高峰の国際総合競技大会。オリンピック・パラリンピック同様、4年に一回開催されており、原則30歳以上のスポーツ愛好者であれば、誰もが参加できる。第一回大会はロサンゼルスオリンピックの翌年、1985年にカナダのトロントで行われた。
第9回大会となる2017年は、ニュージーランド・オークランドで開催中(4月21日から30日まで)。オークランド大会では、28競技45種目が行われる予定で、およそ100カ国から約2万6千人が参加する。
2021年の第10回大会は、アジア初となる関西で開かれる。
(文/斎藤寿子、写真/James Yang)
※当記事は、「ワールドマスターズゲームズ2021 関西」との提携コンテンツです。