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May 11 2017 By 木村和久

ゴルフの未来図~ゴルフは「やる」から「見る」への転換期~

最近のプロゴルフのトーナメントは女子が人気で、試合数も女子が上回っています。2017年度は、男子がアジアンツアーも含めて27試合、女子は39試合と、10試合以上も差がつきました。ギャラリー数は、最終日の平均(2017年度、4月現在)を出すと、男子が8000人程度、女子が6000人程度です。アメリカじゃ数十万人集まるトーナメンがありますから、ちょっと寂しいですね。ただ女子の試合のギャラリーは、上昇傾向にあります。男子は減少傾向ですから、勢いでは女子が勝っています。

この現象からさまざまな事柄が読み取れるのですが、個人的な感想としては、どうもゴルフを「やる」というスポーツから、「見る」というスポーツへ、意識が変わってきたのではないか、そう思えてなりません。

まず男子ゴルフの人気低迷の理由ですが、人気選手の不在が一番大きいでしょう。松山英樹という、日本ゴルフ史上最強の選手がおりますが、現在アメリカツアーで活躍中です。さらにさわやか好青年タイプで、人気抜群の石川遼選手も不在。このふたりが居ないと、応援したくなるのは、せいぜい池田勇太選手ぐらいですか?

しかも、花形選手不在といいながら、松山&石川両選手が日本に帰って、試合に出ると、あっさり優勝してしまう。国内男子プロのレベルの低さも露呈してしまい、人気に陰りが出て来たのです。

加えて、男子プロの愛想のなさが、ファンを遠ざける一因となっています。最近行われた、某男子トーナメントでは、プロアマ競技をなしにしたとか。スポンサーがプロアマを敬遠するって、ありえないですよね。

ゴルフのトーナメントは、単にゴルフがうまければ良い、というものではありません。多くがスポンサーありきの試合で、企業の広報活動、社会貢献活動の延長として、試合が存在しているのです。つまりスポンサーが撤退すれば、男子トーナメントの多くが、消えてなくなります。

女子のトーナメントは、その点を十分理解しているようで、ファンサービスに余念がありません。数年前、メジャートーナメントの最終日を見に行ったことがあります。さほど有名でない韓国選手がトップ争いを繰り広げ、現場は盛り上がりに欠けていました。そしたら、最終組が17番ホールをプレーしているにもかかわらず、日本人選手たちが、所在のないギャラリーに向けて、サイン会を始めたのです。ちょっと、マナー的にはどうかとは思いましたが、ファンからは大好評で、長蛇の列でした。まあ、盛り上がったからいいですか。これもファンが飽きないようにと、気を使ったことなのですから。

というわけで、現在女子のトーナメントはものすごい熱き戦いとなっています。女子ゴルフのファンは、女性と思うでしょうが、どっこい、男性ファンがかなり多いのです。

日本で一番売れた、ゴルフ出版物をご存じですか?いろいろ、あるようですが、私が知る限りでは、「ローラ・ボー」(1970~80年代に活躍した美人ゴルファー)の写真集およびカレンダーだそうです。なにしろ、発行した出版社じゃ、ビルが建ったと言われていますから。

というわけで現在は、美人韓国勢が勢力を伸ばしまくっています。イ・ボミ選手を筆頭に、韓国の美人刺客ユン・チェヨン、キム・ハヌル、アン・シネ選手など、層が無茶苦茶厚いです。そして、これを迎え撃つ日本勢という構図が見えてきます。まあ大相撲のモンゴル勢と日本勢のバトルみたいなものですか。

ゴルフ観戦は、自らプレーをする方が多いですから、豪快なプロのショットを間近で見たがります。初めて、ジャンボ尾崎選手のティーショットを数メートルの距離で見た時は、バズーカ砲みたいな迫力に、腰を抜かしそうになりました。それから全盛期のタイガー・ウッズも、ロケット級の速さに、度肝を抜かれました。しかもタイガーは、小技もうまくて、アプローチも天才的です。いや~充分、1日かけてゴルフ場へ行ったかいがあるってものです。

実はアマチュアゴルファーが、プレーをせずにゴルフ場に行くのって、精神的にはしんどいのです。だって目の前がコースなのに、大好きなゴルフができない。ゆえに見て相当勉強になるプレー、感動するプレーじゃないと、試合観戦には行きたがらないのです。

しかも、世界のトップレベルの技を、すでにテレビで見ていますから。そう考えると、日本男子プロの試合は、小粒に見えてしまい、ギャラリーが減ってもしょうがないのです。サインをもらいたい選手も少ないしと。

一方、女子ゴルフは、ミニスカのかわいい選手が、自分と大してヘッドスピードが違わないのに、260ヤードぐらい飛んだりと、別な意味で驚嘆です。女子の試合は、全長6500ヤード前後の長さで行われますが、これがアマチュアゴルファーのブルーティとほぼ同じです。ゆえに攻略方法とかが自分のゴルフと似ていて、非常に参考になります。

というわけで、「豪快なショットよりも、華麗なショットが見たい」というギャラリーが増えています。ゴルフ人口の減少も微妙に影響して、ゴルフの試合は、プレーするから、見るスポーツへ変化を遂げつつあるのです。

ゴルフをするおじさんは減りつつありますが、逆に女子ゴルフを見る人が増える。これも仕方のないことでしょう。ゴルフクラブは売れなくても、女子プロの関連グッズが売れれば、問題ありません。今後は、ファッショナブルな衣装をまとった、女子プロのエキシビジョンマッチなどを開催して、ギャラリーを増やし、コースの売り上げに貢献しましょうかね。

PS そんな話を書いていたら、ゴールデンウィークに行われた、ワールド・サロンパス杯で、連日1万人超えのギャラリーが押し寄せ、過去最高の集客を達成。韓国女子のミニスカ旋風が吹き荒れました。いや~、本当に女子プロの時代が来たのですね~。

未来図NO4

岡村治栄

木村和久

木村和久

時代を読み解くコラムニスト、デイトレーダー、日本文藝家協会会員。夕刊フジ株1グ ランプリ月間優勝2回。 近著は「89ビジョン」(集英社)連載は「月刊ゴルフダイジェスト」「スポルティーバ 」 「夕刊フジ」(月曜)、「日刊スパ」「ポストセブンネット」「ゴルフコミック」など 。

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