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September 19 2017 By 木村和久

ゴルフの未来図~松山英樹時代の到来、viva! ヒデキ~

松山英樹の全米プロ選手権を見ましたか。最終日、優勝争いを演じ、一時は単独トップに躍り出たにもかかわらず、失速して自滅。試合後のインタビューでは、一時うずくまって号泣していました。そんな松山選手の姿を見るのは、初めてです。日頃のマイペースなプレースタイルから想像しえない感情の起伏に驚きつつも、非常に人間味のある、細やかな神経の持ち主だと分かり、ますます好きになりました。話を聞けば、結婚発表とお子様が生まれることを祝し、どうしても全米プロで優勝したかったようです。一連の行動が、硬派のゴルフ漫画「風の大地」とか、そういうのを読んでいるような気分になりました。松山選手のおかげで、この1年、ゴルフファンとして非常に楽しい時間を過ごすことができました。そして、日本人ゴルファーが世界で十分通用することを証明してもらい、大いなる自信につながりました。今回は「松山英樹時代の到来」ということで、さまざまな観点から、時代の流れを読んでいきたいと思います。さて、どんなことが起こり得るのでしょうか。

①ゴルフブームは静かに進行

過去に起きた最高のゴルフブームは、やはりタイガー・ウッズが活躍していた頃ですよね。ゴルフを知らない人も、何か素晴らしいショーを見るようにタイガーのプレーにくぎ付けでした。しかも、世界的なブームでしたから。今回の松山選手の活躍で、確かにブームは起きていますが、日本のみであり、割と静かな感じがします。というのも、ゴルフ人口がそもそも減っているし、少子化だし、若者はゴルフをしないしと、三重苦状態での一筋の光明に見えるのです。そもそも今回のブームは、松山選手の活躍ぶりを見るブームであり、ゴルフ人口がどれだけ増えるかは未知数です。まあ、それでもゴルフに関心を持つ方が増えればうれしいのですけど。来年あたり、松山選手がメジャーで勝って、美人の奥さんとお子さんに迎えられて、優勝カップにキスをする。そんな姿を見るのを楽しみにしています。加えて、世界ランク1位や年間王者などタイトル総なめを夢見て、ゴルフファンは、早朝深夜のテレビにくぎ付けとなるのです。

②日本ツアーの地盤沈下を防がないと

世界クラスの松山選手の活躍は、ネガティブな考え方をすれば、日本ツアーの地盤沈下につながりかねません。第二の松山英樹的人材がいれば問題ないのですが、今のところ、あまり見当たりません。そこで私案ですが、石川遼選手の日本ツアー復帰を模索してみればどうでしょうか。アメリカツアーで、来年のシード権をかけた入れ替え戦で奮闘中の石川選手ですが、どうも雲行きがよくありません。結果を冷静に受け止めますが、何もPGAツアーだけがゴルフの試合じゃないと、踏ん切りをつけるのも大事じゃないでしょうか。石川選手は、日本での試合の方が、ホーム感覚で向いているような気がします。プロはどんな試合でもいいから、ある程度勝って、勝ち癖を付けることが大事です。得意の日本ツアーで上位にいて、メジャーの参加資格を狙うのもありでしょう。昔のジャンボさんや中島選手がやっていた戦法です。コースとの相性の問題もあります。日本だと大ギャラリーを連れて、応援されながら試合ができます。それも戦術のひとつです。慣れた日本のコースのツアーで勝って、そこから世界に羽ばたきましょう。

③松山選手の鈍感力を見習おう

今度は、松山選手のプレースタイルから、われわれアマチュアは何を学ぶかということです。松山選手は何事もマイペースで、いい意味での鈍感力があるといわれています。プレー進行はマイペースで、過去に何回かスロープレーで注意されたことがあります。遅すぎるのはいけませんが、適度にプレーが遅いと、同伴プレーヤーがいらついて自滅してしまう。そんな戦略もあるとかないとか。松山選手はマイペース過ぎて、他人のプレーが視野に入っていないのではないか。そういわれています。あるトーナメントで、プレーオフになり、相手とのマッチプレーになったことがあります。その何ホール目かで、相手が池ポチャをしてしまいました。その時、相手が何打罰になったのか確認しないまま、プレーを続行したのです。普通はありえない行動ですけど、松山選手はプレーに集中し、自分のベストなゴルフをすることに専念していたから、こういうことが起こったのです。この鈍感力、以前はデビット石井という選手がいて、ラウンド中バナナを食べながらマイペースでラウンドするのが有名でした。そしてある日、あのジャンボ尾崎選手と同じ組でラウンドすることに。ジャンボ尾崎選手得意の強烈な威圧感も、外国人のデビット石井選手には無効。逆にバナナ攻撃で、ジャンボさんの方がペースを乱してしまったという逸話があります。われわれもこの鈍感力、見習おうではないですか。とりあえず、キャディバッグの中にバナナを入れておきますか。

④松山選手から見習わなくてもいいこと

松山選手のお約束のポーズは、よくショット後にクラブを離してしまうことです。あれ~ミスショットか~と思ってボールの方向を見るや、案外いいところにボールが転がっていました。じゃなんで、あんなにクラブを手離して残念がるのか? それは、自分なりの究極スイングを目指して打っているから、打ったフォームを気にするのです。でもこれを面白がり、すでに海外ファンの間じゃ有名になって、残念ショットを集めた動画が公開されています。「なんでマツヤマは、あんないいとこにボールを打つのに残念がるんだ」というコメントの嵐ですから。いいショットをして悔しがることを「マツヤマする」と命名されそうです。もちろん、われわれアマチュアはそこをまねしてはいけません。われわれのゴルフは結果オーライですから、変な当たりでも、キックしてフェアウェーに戻れば「ラッキー」と喜びましょう。松山選手は石川選手みたいなイケメンゴルファーでもないし、かといってふてぶてしいほどのヒールでもない。あの涙以降は、ファンが倍増したことは間違いありません。どうです、来年にかけて、松山選手の動きに目が離せませんね。

松山英樹UP

岡村治栄

木村和久

木村和久

時代を読み解くコラムニスト、デイトレーダー、日本文藝家協会会員。夕刊フジ株1グ ランプリ月間優勝2回。 近著は「89ビジョン」(集英社)連載は「月刊ゴルフダイジェスト」「スポルティーバ 」 「夕刊フジ」(月曜)、「日刊スパ」「ポストセブンネット」「ゴルフコミック」など 。

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