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October 11 2017 By 木村和久

ゴルフの未来図 ~シニアマーケットよ永遠なれ!! ~

今年のゴルフのシニア競技は、すこぶる盛り上がりました。2017年の試合数は18で、バブル後は、しばらくひと桁でしたから、ここ20年で倍以上増えています。観客動員数も、ファンケルクラシックなどは7年連続で2万人超えと、レギュラーツアーを凌駕している試合もあります。賞金にしても優勝だと1500万円ほどで、年間獲得賞金のトップは5000万円を超え、この勢いだと1億円も夢ではありません。これだけシニアツアーが盛り上がっているのには、さまざまな理由があります。全般的には、シニアツアーを見に来るお客さんや、シニアのスタッフが元気だからと言えましょう。今回はシニアトーナメントを軸に、シニアマーケットの隆盛が、どこまで続くのかを予測したいと思います。

まずシニアゴルフツアーですが、団塊世代やバブル世代の熱心なファンは、続々シニア入りしている熟年プロをひいきにしがちです。昔からのファンというのは、非常にありがたいものですね。スポーツの試合というのは、選手に感情移入しないと、見てて面白くありません。もちろん、松山英樹選手のような圧倒的なパワーと、世界クラスの実力の選手を見る醍醐味はありますが、残念ながら彼の主戦場はアメリカです。そこで日本のゴルフツアーを見ようと思うのですが、現在の男子ツアーだと、知っている選手がチラホラ、しかも松山選手と比較すると小粒に見えてしまいます。たまにアメリカに行って、世界の強豪とプレーする選手もおりますが、多くは予選落ちというありさまです。

じゃあ、いっそ知っている選手の多い、シニアツアーに目を向けてみようとなるわけです。先日、日本シニアオープンをテレビで観戦していましたが、尾崎直道選手が腰を痛めて、手で腰を押さえながら歩く姿が痛ましかったです。「いやあ~、まるで自分を見ているようだ」。こう思ったシニアのギャラリーもたくさんいたことでしょう。「昨年、ぎっくり腰をやってから、思い切り振れないなあ」。と、自分と選手の姿をオーバーラップさせて応援するのでした。尾崎直道選手は3日目の雨と寒さにやられたのか、無念のリタイアとなりました。一方、マイペースなのが加瀬秀樹選手。キャディーバッグからバナナを取り出して食べていました。「バナナ食いを見るのは、デビッド・イシイ以来だなあ~」と、喜んだ視聴者も多いでしょう。シニアツアーの場合、コースの長さはレギュラーツアーに比べて若干短めです。日本シニアオープンだと全長が6800ヤードちょっと。それって、私の体験でいえば、鶴舞カントリー倶楽部のメンバーだった頃に体験した競技と同じ距離です。あそこは東西のコースがあり、どちらも6800ヤード前後ですから。もちろん、セッティングなどは全然違いますが、自分が若かったら、あそこはスプーンで刻み、そこから5番ウッドでグリーンを狙うぞと、妄想もしやすいのです。加えてシニアツアーのスポンサーも、健康食品やサプリなどシニア層にアピールしてるのが多く、訴求力もあり、宣伝効果が絶大です。

盛り上がりついでにシニア人口全体の話をしますと、2017年時点で、65歳以上の高齢者人口は約3500万人、ちょうど団塊世代が全部シニア入りしたって感じでしょうか。2年前「2015年危機」というのがあって、団塊世代が70歳ぐらいになって、一斉にゴルフをやめるという噂が、まことしやかに流れました。しかし、蓋を開けてみると、大きな落ち込みはありませんでした。どういうことかというと、ゴルフ業界が予測したほど団塊世代はゴルフをやめないし、元気だし、年金勝ち組としてお金もあったということです。個人的予想としては、シニア層がゴルフをやめるのは、80歳ぐらいじゃないですかね。そう考えると、危機が10年延びましたか。2025年問題というのが、今後起きると予想します。でも、団塊世代に続くバブル世代まではゴルフをやっていますから、パニックにはならないと思いますが。

シニア層の頑張りといううれしい誤算で、シニアゴルフ界は持っています。一方、アマチュアはお客さん以外の従業員、ボランティアスタッフとしても大活躍しています。以前、シルバー人材センターからの斡旋で、ゴルフ場のアルバイトをやっているおじさんに会ったことがあります。「駅前の自転車整理と、ゴルフ場のディボット埋めしかないんですけど、どっちを選びますか」と言われて、迷わずディボット埋めを選んだそうです。自転車整理は重労働だし、面白くない。アマチュアゴルファーとして、ゴルフ場にいられるだけで、幸せそうです。ゴルフ場で働くのは、地方です。交通費は自腹で、さして儲からないバイトですが、爽快感はたまらないといいます。コースを覚えながら目土をして、4回ぐらいやったら、そのバイト代でラウンドをする。非常に充実した人生だと言ってました。

一方、ボランティアスタッフとして、ゴルフ場のボール拾いや枯れ葉掃除などを、みんなでやる作業もあります。それは10人ほどのチームでやるから、わりと楽しいし、ボランティアとはいえ、数回参加すると平日プレー券がもらえるので、実質アルバイトみたいなもの。ボランティアという扱いだと雇われている感がなく、卑屈にならないでいいそうです。体調が悪かったら帰ってもいいし、それは、ボランティアだからできると言ってましたね。

どうです、全ての分野において活躍するシニア層。実は日本経済を陰で支えているのは、彼らだったりして。年金勝ち組は、お金を持っていますよ。けど、お墓までは持っていけないので、どんどん使って経済を活性化させましょう。先輩方、よろしくお願いします。

シニア修正

岡村治栄

木村和久

木村和久

時代を読み解くコラムニスト、デイトレーダー、日本文藝家協会会員。夕刊フジ株1グ ランプリ月間優勝2回。 近著は「89ビジョン」(集英社)連載は「月刊ゴルフダイジェスト」「スポルティーバ 」 「夕刊フジ」(月曜)、「日刊スパ」「ポストセブンネット」「ゴルフコミック」など 。

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