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November 14 2017 By 木村和久

ゴルフの未来図 ~ゴルフ雑誌を盛り返そう~

読者より書き手が多い現状

若者の活字離れが起きて久しいですが、日本の雑誌マーケットは、非常に厳しい状況となっております。そもそも若者は、お金を出して、雑誌を買うことが少ないです。雑誌の方では、次第に売れなくなってきているので、値段を上げざるを得ません。
では、買わない若者は、本当に活字離れしているのでしょうか。いえ違います。実は日本において、グーテンベルクの活字の発明以来、一番文字が流通しているのです。
そうなんです。LINEなどのSNSの普及のおかげで、ごく普通の人間が、毎日たくさんの文章を書いています。つまり雑誌を読む人が減る代わりに、ネットでの文章交流が盛んという、不思議な現象が起きているのです。これって音楽に例えると、ステージに立って演奏する人を誰も見ないで、客席でみんなが勝手に、演奏を始めている。そんなありさまです。

ゴルフ雑誌は団塊世代・バブルと心中か

さて、ゴルフ雑誌の現状はどうでしょうか。ゴルフ雑誌の平均読者層というのは、50歳から60歳ぐらいといわれて、まさにゴルフオヤジがターゲットです。ですから、新規読者はあまりおらず、ゴルフをリタイアした人の数だけ、部数が減少するという状況です。
ただ他の雑誌に比べて、広告がたくさん入っているので、それで何とかやっていけるようです。あと10年ぐらいしたら、どうなっているのか。我々バブル世代が、支えていくしかないんでしょうかね。

雑誌コンテンツも時代に合わせて

ゴルフ週刊誌って、火曜発売がお約束ですが、それは、日曜のトーナメント情報がギリギリ入るからなんです。でも最近はネットが普及して、トーナメントの一次情報は、即座に分かってしまいますし、翌日のスポーツ新聞に、たらふく記事が書かれますので、なかなか難しいところですね。
ほか、レッスン記事も、年配の読者から見れば、別に何回新理論を読んだところで、これ以上うまくならないし。むしろ、年々ヘボになっていくのを、現状維持で止めてほしいぐらいに思っているはずです。

今後のゴルフ雑誌のあり方を模索する

従来のトーナメントやレッスンなどの硬派な記事はほどほどにして、軟らかい記事を多めにしてみるのはどうでしょうか。
ゴルフ雑誌は月刊誌の方が、まだ好調だそうです。そりゃ、週刊誌を4冊買うなら、月刊誌1冊で用を足せるなら、大分予算が浮きますから。スポンサーも4回広告を打つより、1回で済ませれば、それに越したことはないわけですし。
ゴルフ月刊誌は、全方位的なコンテンツが山盛りで、レッスン、プロの人物クローズアップなど手堅いのから、漫画、グルメ、旅としてのゴルフなど、軟らかい記事も満載です。
そこで、ラウンド後に立ち寄る日帰り温泉を大々的に紹介するなど、アフターゴルフの拡充を勧めたいです。
つまり、ゴルフを「スポーツ」として捉えるのではなく「レジャー」として捉えることはできないでしょうか。スキー&スノボのアマチュア客は、スコアを競ったりゼッケンを付けて競技をしませんよね。だからレジャー的要素が強いのです。ゴルフも同様に、スコアを気にせず、「あ~楽しかった」というレジャー感覚で1日を過ごせたらな、と思うのですが。
その実践として、プレー後、温泉や健康ランドに寄っていますが、実に楽しいですよ。どうせ、ゴルフをした日って暇でしょ。仕事は絶対しないし、せいぜい飲みに行く程度。ならば、ゴルフと宴会を足した生活を、最初から提案すればいいのです。
ほか、ゴルフ場のレストラン紹介もたくさんありますが、今度はややジャーナリスティックに、食べログ的な星の数での評価をしてみるとかね。実際は、星が多いとこしか紹介できませんが、口コミ利用で評価してみるのはありです。これもどこぞのネットと組んで、やってみてはいかがでしょう。

ゴルフ業界を盛り上げる秘策とは?

あくまで私案ですが、雑誌がゴルフ場と組んでキャンペーンをすればいいと思うのです。従来の雑誌は技術向上とニューギアの紹介、すなわち、メーカーと組んだキャンペーンみたいなものが多かったのです。昨今はゴルフのプレースタイルやライフスタイルが変化しており、もっと読者本位の有益な情報を紹介すればいいと思うのです。
以前、ハーフラウンドだけしたいと思って探したら、それが不思議なくらい少なくて、がっくりしたことがあります。ニーズはどれだけあるか分かりませんが、新たなマーケットを呼び起こすようなプランの開発をするべきではないでしょうか。
最近レンタルクラブでも使えるようにと、7本セットを売り出したメーカーがあります。これがキャディーバッグも含めて売っており、実に軽量で便利。そういうのを借りて、気軽にハーフラウンドできたらな、と思うのですが。ほかに考えられるのは
● 練習ラウンドモードでプレーできるコース。これは常識の範囲内で、打ち直しができるラウンドです。実際、リゾートコースで実施しているところがありますよ。
● 簡易ルールでラウンドできるコース。これはコースのローカルルールで、「叩いたときは、スコアの倍で終わらせる」みたいなルールを、書いて貼っておけばいいだけです。みんながこっそりやっていることを、堂々とする。それでも画期的なことだと思いますよ。
● 各メーカーの売れ筋を網羅して、試打ラウンドができる。すなわち、最新のレンタルクラブが充実しているコースです。
● 手ぶらで来場してもプレーできるコース。
● 上がり3ホールにナイター設備があって、遅めのスタートでもラウンドできるコースなどなどです。
昔トレンド雑誌の「ダイム」で連載していたころ、週末、グアムでプチバカンスという記事があって、そんなことをするやつが本当にいるのか?と懸念していたら、その後、実践者が続出したのです。
「卵が先かニワトリが先か」じゃないですが、多様性を認めて、さまざまなプランをコースと提携して誌面展開し、そこからヒット企画を生み出せばいいと思うのですが。いかがでしょうか。

岡村治栄

岡村治栄

木村和久

木村和久

時代を読み解くコラムニスト、デイトレーダー、日本文藝家協会会員。夕刊フジ株1グ ランプリ月間優勝2回。 近著は「89ビジョン」(集英社)連載は「月刊ゴルフダイジェスト」「スポルティーバ 」 「夕刊フジ」(月曜)、「日刊スパ」「ポストセブンネット」「ゴルフコミック」など 。

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