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September 02 2021 By TheBORDERLESS

7割以上のパラアスリートが『競技環境改善』と回答。 日本パラリンピアンズ協会、4年に一度の競技環境調査を発表 2割の選手が「スポーツ施設利用を断られた」との回答も

「第31回パラスポーツメディアフォーラム~パラリンピアンズ協会~」(主催:電通パブリックリレーションズ)が、8月23日(月)にオンラインで開催された。

今回は、一般社団法人日本パラリンピアンズ協会が4年に一度、夏季大会の際に発表してきた、パラリンピック出場選手を対象とした「競技環境調査」の第4回の発表となった。
会長の大日方邦子氏が、協会の方針、ミッション、既存事業などについて紹介。本調査の経緯、背景、実施概要などを説明。その後、同協会のアドバイザーを務める日比野暢子氏(桐蔭横浜大学教授)が、結果について詳細説明した。①
日本パラリンピアンズ協会 会長 大日方邦子 氏

本調査では、7割以上のパラアスリートが東京2020パラリンピックを前に「競技環境が改善した」と回答。その理由として、海外遠征、合宿機会が増えた点、またその遠征費用に対する個人負担額が企業からの支援増加により従来よりも減った点を挙げ、自国開催により従来よりも国からの強化費が増加した点が明らかとなった。
一方、選手の競技活動をサポートするコーチ、スタッフにも同じ質問をしたところ、選手同様約7割の回答が「競技環境が改善した」としたが、選手を支える活動の経済基盤として「競技支援活動を主業務としない雇用」すなわち、支援活動外の本業によって生計を立てながらボランティアで支援活動も行っている人が約6割もあり、アスリートと比べると、支える人材側の経済基盤がいまだに整備されていない点が浮き彫りとなった。
また、2割の選手が「障害を理由にスポーツ施設の利用を断られた経験あり」との回答もあった。これは、前回第3回調査(2016年)と同レベルの数値であり、特に車いすを使用するアスリートへのスポーツ関連施設側の理解がいまだに進んでいないとの傾向も明らかとなった。

②
日本パラリンピアンズ協会 アドバイザー、桐蔭横浜大学教授 日比野暢子 氏

他に東京2020大会の延期の要因となった新型コロナウイルス感染拡大が競技環境に与えた影響について、アスリートに認識を聞いたところ、ポジティブに捉えている選手が約32%、ネガティブに受け止めている選手が約23%、どちらともいえないとした選手が最も多く約42%だった。
ポジティブ派は、「支えてくれている人々への感謝の気持ちを再認識できた」「(大会延期により)競技力を向上させることができた」「新たな練習方法を見いだすことができた」との回答が上位に挙がった。ネガティブ派は、「大会の延期、強化合宿の中止」などの点を挙げた。

最後に10年後のパラリンピアンを取り巻く競技環境への予測を聞いたところ、「競技用具」「障害者スポーツへの理解」「練習施設」が良い点として挙がったが、その一方で東京2020大会終了に伴い「競技資金」「国、自治体からの支援」「競技団体からの支援」などが打ち切られるだろう、と予測する声が選手をはじめ、特にコーチ・スタッフから数多く上がっていた。
今後着手すべき課題として「競技者数の増加」を挙げる声も多く、特に選手を支えるコーチ・スタッフの「待遇改善が課題」として指摘する声も多かったという。

<登壇者所属公式サイト>
一般社団法人日本パラリンピアンズ協会 https://www.paralympians.jp/

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The BORDERLESS(ザ・ボーダレス)編集部です。

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