マウンテンバイク・ダウンヒル競技の解説はこちらの記事をご覧いただきたい。
マウンテンバイク・ダウンヒル界に、派手なスタイルで人気急上昇中の若手選手がいる。浦上太郎選手だ。熊本で開催されたSRAMダウンヒルシリーズ第6戦で、地元吉無田に凱旋した。ファンが応援するなか、結果は惜しくも2位だったが、レース後にインタビューに応じてくれた。

ファンを魅了するド派手なジャンプは浦上選手の持ち味だ
今日の地元凱旋レース、惜しくも優勝ならず
- 今日の決勝レースは惜しくも2位でした、今の感想は?
ほんとに今日は勝ちたかった。井手川選手に負けるということは、やはり何かが足りなかったんでしょうね。地元で勝てないのはほんとに悔しい。
浦上太郎が語るMTBダウンヒルの魅力
- 浦上選手がダウンヒル始めたきっかけは?
実際、ダウンヒルを始めて4年ほどで、実はまだまだ短いんです。高校生の頃にマウンテンバイクトライアルを始めて、大学卒業後、大阪へ移りダートジャンプ(ストリートMTBで土のジャンプ台を跳んでトリックを繰り出す競技)を友人と一緒に始めた。
その友人に、ダウンヒルライダーの井本はじめ、九島兄弟も友達にいたから、ダウンヒルも一緒にできた。そんなダウンヒルの速い友人に恵まれたから今の自分があるのかもしれない。
- ダートジャンプの経験からの派手なスタイルは、ダウンヒルでも変わらないということですね?
どんなに速いタイムでも、職人のようにラインをそつなくこなすというのは嫌いで、どこかに遊び心を持っていたい。むしろ、ほとんどのダウンヒルライダーが遊び心を持っていると思う。遊び心を持ってないと乗っていて楽しくないし、楽しいからこそ続けられる。自分の中ではダウンヒルは楽しんだもん勝ちみたいなところがある。それが魅力。じゃないと今まで続けられなかった。
浦上太郎選手の目指す走りとは
- ファンから「今日の浦上太郎のテーブルトップのジャンプやばかったよね!」と言われるのは、「遊び心」があるからこそだと思います。
その通り。憧れの選手はサム・ブレンキンソップという選手。彼はジャンプが派手なのに、タイムも速い。自分もかっこいいスタイル、派手なスタイルだからこそ速いというのを目指している。記憶にも残る、記録にも残る、どちらも極められるライダーになりたい。
- 今年このシリーズ戦、SRAMダウンヒルシリーズでは第3戦、第4戦優勝、今後の目標は?
具体的な目標というのは今のところとくにないが、カナダなどに一年滞在して技術をさらに磨きたい。海外に滞在してMTBをまだまだ極めたいと思っている。
-今後の活躍を期待しています!
他の富士見や国内のレースはさらに多くのライダーが集まって盛り上がるので、多くのファンに来てもらいたい。一番のおすすめは、やっぱり富士見でしょうか。取材してもらい、ありがとうございました。
惜しくも2位に終わり地元凱旋レースで優勝を飾れなかった。残念で落胆の表情を隠せない中、快く取材に応じてくれた浦上太郎選手。取材側に感謝を言う気遣いに、人柄の良さとプロの風格を感じた。今後のダウンヒルレースの活躍を期待したい。
(文・写真/上水流晋)