TOPへ
December 17 2015 By TheBORDERLESS

小学生とは思えぬ剣さばき! フェンシング世界王者太田雄貴企画の大会はサプライズも

小学生とは思えぬ剣さばき! フェンシング世界王者太田雄貴企画の大会はサプライズも

競技会場はビルの地下二階。そこでは、子供たちの歓声とともに、剣先が交わる鋭い音が響いていた。

このイベントは、フェンシング男子フルーレ世界選手権覇者の太田雄貴選手(30歳)が企画する「森永製菓 フェンシングフルーレ 太田雄貴杯 powered by inゼリー」。小学3年〜6年の男女88人を対象とした大会で、今年で第7回目を迎える。

原形は中世の騎士たちによる剣術で、フランス発祥のスポートだとされるフェンシング。野球やサッカーなどと比べて一般にはなじみが薄いが、国内だけでも約6000人の競技人口がいるという。

「当面の目標は、これを約3万人まで増やすこと。本場フランスの競技人口は約6万人ですから。そういう意味では、来年のリオデジャネイロ五輪は貴重な機会。何としてでも、金メダルを持ち帰りたい。そこから、2020年の東京五輪へとつなげられれば。僕は年齢的に出られるかわかりませんが(笑)」(太田選手)

瞬時の応酬が見どころになる「フルーレ」

フェンシングには、おもに「攻撃権」をやりとりし、胴部分のみ有効面の「フルーレ」、全身すべてが有効面で、先に突いた方にポイントが入る「エペ」、突き以外にも斬りという技が加わる「サーブル」の3種目がある。

今回は、先に剣先を相手に向けた方に「攻撃権」が与えられ、攻撃、防御、反撃、再反撃といった瞬時の応酬が見どころになる「フルーレ」だ。

肝心の試合内容はといえば、小学生とは思えないほどレベルが高い。ポイントを取るとガッツポーズで「ヤーッ!」と叫ぶ。父兄からは「足を止めるなよ!」といった檄が飛ぶ。試合終了後にマスクを外すと、どの選手も汗びっしょりだ。

実況席には太田選手以外に、日本代表の千田健太、三宅諒、淡路卓、藤野大樹の各選手も座っていたが、「数年前と比べて、繰り出す技の数が格段に増えている」「以前は相手のミス待ちが多かったが、今は積極的に自分から仕掛けに行く」といった賞賛のコメントが相次いだ。

実況席には日本のトップ選手たちが並ぶ

実況席には日本のトップ選手たちが並ぶ

「ポイントを取って大声を出す瞬間が好き」

息詰まるような試合が続く。最終的に、この激戦を勝ち抜いて優勝したのは、男子の部が鈴木統吾選手(東京・ワセダクラブ)、女子の部が山田ひなた選手(愛知・中京大学Jr.)だった。

壇上で小学生最強の座を手に入れた感想を聞かれると、鈴木選手はクールに「自分より強い相手に勝った時が一番嬉しい」、山田選手は「嬉しいし、試合は楽しかった。ポイントを取って大声を出す瞬間が好き」と、それぞれコメントした。

優勝を決めた鈴木選手(右)と山田選手(左)

優勝を決めた鈴木選手(右)と山田選手(左)

台本にはない「世界チャンピオンマッチ」も

この後、男女の優勝者が太田選手とアメリカ代表で2013年世界選手権王者、マイルス・チェムリーワトソン選手の「世界チャンピオンチーム」と戦う「スペシャルマッチ」も開催。小学生コンビは当然ながら負けるわけだが、それでも2ポイントを奪うという快挙に会場は大いに湧いた。

さらに、「台本にはありませんが、皆さんのご要望に応えて」(太田選手)という、太田選手対マイルス選手の「世界チャンピオンマッチ」も行われた。

これまで、ずっと判定を下してきたオフィシャル審判が「プレッシャーですよ」と思わず漏らすほどの緊張感の中、3ポイント先取で勝利というルールで試合開始。世界トップ選手のスピードと技のキレは、ため息が出るほどのすごさである。こちらは、太田選手に軍配が上がった。

マイルス選手(右)は星条旗のマスクで登場

マイルス選手(右)は星条旗のマスクで登場

子どもたちと触れ合うことで得るもの

最後に表彰式と記念撮影を経て、イベントは大盛況のうちに終了。最後の挨拶で太田選手は、こう締めくくった。

「(2008年の)北京五輪が終わって、会社(森永製菓)に入り、『何がやりたいか』と聞かれて、僕は『子供たちが目指すような大会を作りたい』と言いました。気持ちを込めて作っているこの大会も今回で7回目を迎えて、フェンシングの認知度も上がってきている。地方と中央の連携など、課題はまだまだありますが、子供たちと触れ合うことで得るものを、フェンシングの発展に生かしていきたい」

また、挨拶の最後に漏らしたこんなひと言が印象的だった。

「前は金メダルのことばかり考えていたけど、今は『どうすれば上手くなるか』が一番。これを、子供たちにわかりやすい言葉で伝えていきたい」

前述したように、フェンシングは騎士道精神に則ったスポーツ。対戦相手や審判には最大の敬意を払ううえに、礼儀作法も重んじる。こうした企業とトッププロが手を結んで実現した社会貢献活動によって、そんなすてきな精神を身につけた子供たちが増えれば、これほど明るい未来はないのではないだろうか。

073_res

 

TheBORDERLESS

TheBORDERLESS Facebook Twitter

The BORDERLESS(ザ・ボーダレス)編集部です。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Twitterをフォローしよう!

前の記事へ
一覧に戻る
次の記事へ
前の記事へ
一覧に戻る
次の記事へ